民事訴訟法の特別の規定によって審理される手形・小切手金の支払を求める訴訟

手形小切手訴訟とは民事訴訟法の規定に基づいた、原告の簡易迅速な債務名義の取得を可能にするための仕組みです。債務名義とは強制執行によって実現しようとする権利の存在と範囲を表示した公文書のことです。強制執行を開始するには必ず必要になります。通常の訴訟においては裁判所に訴えを提起し、得られた確定判決が債務名義となりますが、これは手形訴訟とて同様です。しかし、手形、小切手に関する訴訟には特別な配慮が必要です。それはなによりも迅速性を尊ぶということです。手形が不渡りとなったときのことを考えてみましょう。原告としては一刻も早く回収手続きに入りたいはずです。そのため手形訴訟には通常の訴訟とは異なる規定がいくつかあります。まず訴状には手形訴訟であることを明記しておかなければなりません。特別な配慮を求めるのですから前もってはっきり言っておけということです。次に反訴は禁止されています。通常の訴訟では訴えられた側も相手を訴え返すことができるのですが認められていません。訴訟が長引くに決まっているからです。また、証拠調べにも制限があります。手形訴訟における証拠調べでは手形、そのものの取調べとそれらが偽造されていないかどうか、金融機関に提示したかどうかに関する当事者尋問のみが許されています。これも言うまでもなく裁判の迅速性のためです。

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